映画に感謝を捧ぐ! 「アリ・G」

映画感謝人GHMです。

 今回はマーク・マイロッド監督の「アリ・G」に

 感謝を捧げようと思います。

 

 イギリスのTV番組「Da Ali G Show」を

 もとにして作られた本作は

 不謹慎の頂点を目指すかのようなストーリーが

 時間と共に背徳的快感へとつながっていく

 危険な喜劇映画であります。

 政治・外交・銃撃戦といった「シリアスな問題」を

 凶悪且つ下品に引っかき回す男たちの運命を

 軽快にして大げさな演出&音楽を駆使して描くという

 大胆不敵な挑戦は

 私に「不条理喜劇に対する適応能力」と

 「毒をもって毒を制す」精神に対する寛容さを

 試されているかのような感覚をもたらしました。

 (突如として「人情劇」へと向かう傍若無人さと

人情味ある結末を装いながら低俗さを失わない終幕が

 ある種の「背徳的爽快感」を生み出している点も見逃せません。)

 まさに「政治風刺劇史上最大級の怪作」と呼びたくなる作品であると言えるでしょう。

 S・バロン・コーエン扮する「黒人風白人」と仲間達の

 人情派とも不人情派ともとれるような言動に

 呆れと爽快感の入り交じった感情を禁じ得ない本作と

 生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。