映画に感謝を捧ぐ! 「ア・フュー・グッドメン」
映画感謝人GHMです。
今回はロブ・ライナー監督の「ア・フュー・グッドメン」に
感謝を捧げようと思います。
アーロン・ソーキンの脚本による同名舞台劇を
彼自身の脚色によって映画化した本作は
舞台劇と映画の個性が平和的共存を果たすことによって生を受けた法廷劇であります。
「殺人事件の真相に迫るサスペンス映画」の形態を取りながら
戦地のルールと平時のルール・現実主義と理想主義・組織と個人の
対立構造を描くことに挑んだストーリーと
(特に「悪役」とされているキャラクターの言動にも
説得力を与えている点が素晴らしいです。)
舞台劇ならではの見せ方と「映画的アクションのある会話&動作」を
バランス良く配合した演出が一体となる光景は
私に「勧善懲悪劇とは異なるスリル」と「環境と人間の関係に対する1考察」を
同時体験する機会をもたらしました。
(主人公側に「アイドル的美男美女&ムードメーカ的俳優」を配し
敵側に「濃厚な個性派俳優陣」を配するキャスティング・センスと
ハッピー・エンドでありながらも苦い後味を残す結末が
作品のメッセージ性を高めている点も見逃せません。)
まさに「法廷サスペンス型組織論」と呼びたくなる作品であると言えるでしょう。
クールな合理主義と熱い正義漢を象徴する男女2人が
互いの長所を受け入れながら共通の敵に立ち向かう姿と
「閉ざされた世界のルール&誇り」への忠義によって
人としての一線を越えてしまった人々の運命を
教科書的な「勧善懲悪精神」に囚われることなく描ききった本作と
生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。