映画に感謝を捧ぐ! 「無防備都市」
映画感謝人GHMです。
今回はロベルト・ロッセリーニ監督の「無防備都市」に
感謝を捧げようと思います。
第2次大戦末期のローマにおける
闘いの日々を描いた本作は
最小限のアクションで最大限の恐怖を生み出した戦争映画であります。
ホームドラマ&メロドラマ要素・暴力・頭脳戦が
絶妙のバランスで配合することによって
「戦時下に生きる人々」を説得力ある形で示したストーリー
残酷な拷問&アクション映画的な戦闘場面を
「見世物」にならないよう描く技巧&精神力
人間味あふれるキャラクター造形が一体となる光景は
私に「戦争&暴力が日常化した世界」と
「人間の生命&良心が破壊されていく過程」を目の当たりにする機会を
もたらしました。
(ドイツ軍の残酷さを声高にアピールしながらも
「記号的悪役」にしない配慮が為されている点や
「万事解決のハッピー・エンド」に背を向けた
クール且つ詩的な幕切れとなっている点も見逃せません。)
まさに「ドラマ系戦争映画」の雄と呼ぶにふさわしい作品であると言えるでしょう。
戦争体験者ならではの目線&知略と
「説明台詞に依存せず、映像によって語る」映画的技術力によって
感動誘発&説教臭を緩和し
文学性・説得力・娯楽要素を兼ね備えた作品となった本作と
生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。