映画に感謝を捧ぐ! 「天国から落ちた男」
映画感謝人GHMです。
今回はカール・ライナー監督の「天国から落ちた男」に
感謝を捧げようと思います。
黒人一家に育てられた白人男性「ネービン」の
数奇な運命を描いた本作は
小ネタの嵐によって人生を語るドタバタ喜劇であります。
細切れ的な「笑い所」を組み合わせることによって
一つの物語を形成しようという発想と
「勢い任せにストーリーを展開させる」事によって
無理矢理感あふれる状況を押し通そうという
大胆不敵さが一体となる光景は
私に、アクション映画的な手法で作られた「栄枯盛衰劇」に接する機会と
80年代を目前にしたアメリカ社会を覆う「空気」に触れる感覚をもたらしました。
(アメリカ映画界特有の「ハッピー・エンド信仰」を体現するかのような
幕切れとなっている点も見逃せません。)
まさに「バラエティ番組型人情喜劇」と呼びたくなる作品であると言えるでしょう。
「ストーリーよりも小ネタの方が記憶に残る」・「感動場面が滑稽に写る」といった
昨今の邦画にありがちな状況を無意識のうちに先取りした本作と
生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。