映画に感謝を捧ぐ! 「殺し」
映画感謝人GHMです。
今回はベルナルド・ベルトルッチ監督の「殺し」に
感謝を捧げようと思います。
殺人事件の取り調べによって明らかとなる
人間模様を描いた本作は
臨場感と神秘性に彩られた犯罪捜査映画であります。
事件当日の行動に関する「証言」を短篇集的に並べ
パズルのように組み合わせることによって犯人に迫るストーリー展開を
白黒映像の個性とサスペンス的映像技によって映画化するという試みは
私に「イタリア社会の一端」をのぞき見る機会と
推理小説を読むかのように映画を見る感覚を
同時体験する機会をもたらしました。
(「刑事」の姿を映像化しないことによって
他の犯罪捜査映画とは異なる「実録的ムード」を生成している点も見逃せません。)
まさに「鑑賞者参加型犯罪捜査映画」と呼びたくなる作品であると言えるでしょう。
殺人事件の真相が明らかになっていく過程を通じて
人生の神秘性とサスペンス性を体現した本作と
生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。