映画に感謝を捧ぐ! 「ロックアップ」

 映画感謝人GHMです。

 今回はジョン・フリン監督の「ロックアップ」に

 感謝を捧げようと思います。

 

 悪徳刑務所長の陰謀によって「最悪の刑務所」へ送られた

 主人公の運命を描いた本作は

 外見以上の深みを持った刑務所映画であります。

 脱獄劇・スポーツ映画・青春映画・極道映画を融合させたかのようなストーリー

 (ヒロインとの恋愛よりも「男の愛憎劇」に重きを置いている点が素晴らしいです。)

 活劇的爽快感よりも暴力を描くことに重きを置いたアクション・シーン

 「逆境に耐える→反撃」を得意とする俳優S・スタローンの勇姿

 

 敵将に扮したD・サザーランドの「怪奇映画的名演」

 絶妙の盛り上げぶりを発揮する音楽が一体となる光景は

 私に「直接・間接的攻撃を使い分けることによって心身を崩壊させる手法」の恐怖

 「力を持った人間」が陥りがちな精神的病理・暴力の陰鬱さ

 映像テクノロジー&特殊効果に依存しない「肉体的アクション・シーン」の醍醐味を

 目の当たりにする機会をもたらしました。

 (「敵を殺害してハッピー・エンド」という娯楽的決着に背を向ける勇気を持った

 作品である点も見逃せません。)

 まさに「陰性アクション映画界」の静かなる強豪作と呼びたくなる

 作品であると言えるでしょう。

 1980年代のアクション映画を支配する「脳天気さ」に染まらなかったが故に

 不遇の作品となってしまった本作と

 生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。