映画に感謝を捧ぐ! 「アイザック 繋がれし少年」
映画感謝人GHMです。
今回はジョセフ・マンデューク監督の「アイザック 繋がれし少年」に
感謝を捧げようと思います。
両親を殺され、姉を奪われた少年と
ゴールドを奪われたガンマンの共同戦線を描いた本作は
単純明快にして苦い仇討ち西部劇であります。
仇討ち映画の方程式に沿って進行していくストーリーが
時代性の反映&キャラクターの増量&個性化によって
「犯罪映画+社会派映画風西部劇」へと変化していく光景は
私に「1970年代の映画界が持つ空気」と「娯楽西部劇の伝統」が
奇妙なバランスで共存する光景を目の当たりにする機会をもたらしました。
(正義の勝利でありながらも後味の悪さを感じさせる幕切れが
人間社会の複雑さを体現している点も見逃せません。)
まさに「陰性仇討ち西部劇界」の静かなる強豪作であると言えるでしょう。
場違いなまでに和やかな音楽&風景と
娯楽西部劇ありながら「万事解決のハッピー・エンド」を拒む精神によって
1970年代を覆う「反抗の気風」を体現した本作と
生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。