映画に感謝を捧ぐ! 「ハートブレイク・リッジ 勝利の戦場」
映画感謝人GHMです。
今回はクリント・イーストウッド監督・主演の「ハートブレイク・リッジ 勝利の戦場」に
感謝を捧げようと思います。
トム・ハイウェー軍曹率いる偵察小隊の
訓練と戦いの日々を描いた本作は
反戦メッセージよりも体育会系の人間模様と
時代の無常さに重きを置いた異色の軍隊映画であります。
異なる世代・出自・人生観の持ち主が一堂に会する事によって
もたらされる「対立構造」を
戦争映画と学園映画を融合させたかのような
ストーリー・キャラクター・アクションを駆使して描くことによって
説教臭を緩和し、娯楽性のある作品にするという発想&技法は
私に「物語は対立によって味わいを増す」事を再認識する機会と
直球的に王道を貫きつつ、時代の空気を取り入れる妙技を
堪能する機会をもたらしました。
(主人公をクリーンな善人とせず「70年代流哀愁&アウトロー性を宿した人物」として描いている点と
1980年代の空気を象徴するかのようなハッピー・エンドが
アメリカ礼賛臭漂う作品世界「苦味」を与えている点も見逃せません。)
まさに「精神的断絶と融和」を時事性とユーモアを交えながら描いた
戦争映画であると言えるでしょう。
C・イーストウッド関連作特有の「我流を貫く人間の輝き&孤独」と
1980年代を覆う「米流ポジティブ精神復興の気運」が
奇妙なバランスで融合することによって生を受けた本作と
生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。