映画に感謝を捧ぐ! 「地獄の私刑 黒い欲望の報酬」

映画感謝人GHMです。

 今回はシドニー・ヘイヤーズ監督の「地獄の私刑 黒い欲望の報酬」に

 感謝を捧げようと思います。

 

 娘を殺された男と妻子&友人の皮肉な運命を描いた本作は

 犯罪被害の一端と勧善懲悪精神の落とし穴を静かに描いた作品であります。

 亡き娘への愛・家族を失う哀しみ・警察&司法に対する義憤によって

 残忍凶悪な存在と化していく男女の姿を

 ホームドラマ・愛憎劇・サスペンスの入り交じった映像表現によって描くという試みは

 私に「犯罪がもたらす精神的被害の恐ろしさ」と

 「人間の善性が崩壊していく過程」を丹念に描く技法に触れる機会をもたらしました。

 (「良心的でありながらも不快な後味を残す幕切れ」が

 人生の皮肉と人間性への信頼を感じさせる点も見逃せません。)

 まさに「陰性復讐映画界」屈指の冷徹さを誇る過激作であると言えるでしょう。

 アクション映画特有の「悪を殺害→ハッピー・エンドの法則」を

 意地悪く皮肉った目線と

 家族の1員を失ったことによって浮かび上がる「家族内の病理」が

 精神的試練となって襲いかかる本作と

 生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。