映画に感謝を捧ぐ! 「レベッカ(1940年版)」
映画感謝人GHMです。
今回はアルフレッド・ヒッチコック監督の「レベッカ(1940年版)」に
感謝を捧げようと思います。
ダフネ・デュ・モーリアの同名小説をもとにして作られた本作は
宗教映画・怪奇映画・人間模様が混ざり合うことによって
後年のサスペンス&ホラー映画に多大な影響を与えた作品であります。
運命の甘い悪戯によって
「美しき死者によって支配された世界」に足を踏み入れてしまった女性の悲劇を
ホラー・サスペンス・ホームドラマの映像技&音楽
絶妙の情報管理によって「1人の女性」を神の領域にまで高めていく作劇法
上品でありながらも不気味な気配を放つ俳優・女優陣を駆使して描くという試みは
私に、我々が神を崇め、恐れる理由の一端に触れる機会と
時間の止まった世界に拘束される感覚をもたらしました。
(「過去の呪縛から解放される」とも「過去に支配され続ける」とも解釈可能な幕切れが
主人公の死による幕切れ以上の「苦い後味」をもたらしている点も見逃せません。)
まさに「姿なき怪物による怪奇恐怖」・「ホームドラマ型心理戦」・「アクションなき冒険映画」が
一堂に会したモンスター的作品であると言えるでしょう。
「何気ない行動を怪奇的に表現する」映像と
「すべてを動かす存在が一切姿を見せない」と言う不条理な状況が
映画の枠を超え、我々が生きる世界を写し出す本作と
生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。