映画に感謝を捧ぐ！ 「ダブルヘッド・ジョーズ」

　映画感謝人ＧＨＭです。

　今回はクリストファー・レイ監督の「ダブルヘッド・ジョーズ」に

　感謝を捧げようと思います。

　２つの顔を持つ巨大サメの恐怖を描いた本作は

　憎めない狡猾さに彩られた「人喰いサメ映画」であります。

　「人喰いサメの顔を２倍にする」ことによって視覚的恐怖感を増幅させ

　サメ以外の脅威を付け加えることによってストーリー的恐怖感を高めようという

　即物的恐怖志向

　人間側のキャラクターを薄め、ホラー映画的軽率さを与えることによって

　「モンスターを応援したくなる空気」を生成する戦略

　時折挿入されるＭＴＶ的表現法＆音楽が一体となる光景は

　私に「映像技＆音楽技によって段階的に恐怖を高めていく」事の偉大さ＆難しさと

　「成功したジャンルを最大限に活用する」娯楽的戦術性の醍醐味を

　体感する機会をもたらしました。

　（最終決戦の後をクールに処理することによって「引き延ばし感」を

　抑制している点も見逃せません。）

　まさに「便乗商品映画界」の軽やかなる強豪作と

　呼びたくなる一品であると言えるでしょう。

　映画史に残る「海の悪役スター」人喰いサメを

　ＳＦ的に改造するという着想と

　多くの犠牲者を出しながらも緊張感の薄いストーリー展開が

　奇妙なユーモアを放つ本作と

　生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を！！！。