映画に感謝を捧ぐ! 「恐怖の精神病院」
映画感謝人GHMです。
今回はマーク・ロブソン監督の「恐怖の精神病院」に
感謝を捧げようと思います。
18世紀の実話をもとにして作られた
ウィリアム・ホガーズの版画から生まれた本作は
大衆娯楽精神と社会派精神が奇妙なバランスで共存する作品であります。
「お化け屋敷」的な怪奇描写と陰謀劇風サスペンス描写を駆使して
現代にも通じる「社会&政治の暗部」・「閉鎖的環境が人間に与える影響」を
描くという試みは
私に「見世物精神と風刺精神の平和的共存」の1形態と
「人の不幸を娯楽化する」エンターティナーの本能が持つ
危険性&効能を目の当たりにする機会をもたらしました。
(主演男優B・カーロフのホラー的&心理劇的怪演と
モンスター映画的な「決着」の付け方
「善意によって真実が葬られる」幕切れが
作品に「勧善懲悪」の枠を超えた重厚感を与えている点も見逃せません。)
まさに「社会派怪奇恐怖劇」の雄と呼ぶにふさわしい作品であると言えるでしょう。
後年の「カッコーの巣の上で」・「チェンジリング(2008年版)」に通じる道を切り開くと同時に
怪奇恐怖映画の可能性を高めた本作と
生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。