映画に感謝を捧ぐ! 「赤い影」

 映画感謝人GHMです。

 今回はニコラス・ローグ監督の「赤い影」に

 感謝を捧げようと思います。

 

 ダフネ・デュ・モーリアの小説「いまは見てはだめ」を

 もとにして作られた本作は

 美術館とお化け屋敷の醍醐味を兼ね備えた

 サスペンス・ホラーであります。

 二転三転する時間軸の中で

 様々なジャンルを渡り歩くかのように進行していくストーリー

 猟奇的でありながらも「絵画的魅力」を持った映像

 上品且つ神秘的な音楽が一体となることによって生成される「映画的妖気」は

 私に「美しくも恐ろしい迷路」に囚われる感覚と

 「与えられる情報を整理しながら鑑賞する」機会をもたらしました。

 (反則的でありながらも納得させられる「真相」と

 不気味なまでの神秘性を放つ幕切れが

 作品世界に「文学的ムード」を与えている点も見逃せません。)

 まさに「残酷な美と狂気に彩られた」観光旅行映画と呼びたくなる

 作品であると言えるでしょう。

 「赤&水」に対する病的なまでのこだわりと

 虚実交わる世界へと引きずり込む映画的魔力に支配された本作と

 生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。