映画に感謝を捧ぐ! 「バイバイ、ママ」

  映画感謝人GHMです。

 今回はケビン・ベーコン監督・出演の「バイバイ、ママ」に

 感謝を捧げようと思います。

 

 ヴィクトリア・リデルの同名小説をもとにして作られた本作は

 不条理映画的状況を軽やかに描いた

 異色の家族劇であります。

 和やかさの中に「カルト教団」の香りを宿す母子関係を

 二転三転する時系列・明るい色彩&挿入曲

 アクション&サスペンス映画的映像技を駆使して描くという試みは

 私に「社会派的シリアスと童話的ファンタジーが奇妙なバランスで共存する光景」を

 目の当たりにする機会をもたらしました。

 (悲劇とハッピー・エンドを融合させたかのような幕切れが

 怪作的な物語に情緒を与えている点も見逃せません。)

 まさに「母性愛あふれるモンスターの奮闘記」と呼びたくなる怪作であると言えるでしょう。

 奇妙な家庭環境によって「子供」への過激な愛を植え付けられ

 「小さな世界」へと沈み込んでしていくヒロインと

 彼女を愛しながらも「外の世界」を目指す息子の姿が

 愛と狂気が紙一重の存在であることを指し示す本作と

 生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。