映画に感謝を捧ぐ! 「孤独な場所で」

映画感謝人GHMです。

 今回はニコラス・レイ監督の「孤独な場所で」に

 感謝を捧げようと思います。

 

 ドロシー・B・ヒューズの小説「In a Lonely Place」をもとにして作られた本作は

 陰性のスリルと風刺性に彩られた作品であります。

 虚実交わる世界・殺人事件・運命の積み重ねによって生じた

 人間関係の形成と崩壊を

 心理サスペンスと恋愛劇の表現法を融合させながら描くという試みは

 私に「犯罪&環境が人間関係に与える影響」・「疑心という名のモンスターがもたらす恐怖」

 「自制心を維持することの大切さ&難しさ」を目の当たりにする機会をもたらしました。

 (「サスペンス映画的ハッピー・エンド」を痛烈に皮肉った幕切れが

 作品の苦味を高めている点も見逃せません。)

 

 まさに「陰鬱系恋愛サスペンス」の雄と呼ぶにふさわしい作品であると言えるでしょう。

 主演男優H・ボガードの激しくも哀しい怪演と

 映画業界&犯罪捜査の「危険な内幕」を見つめる視線によって生を受けた本作と

 生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。