映画に感謝を捧ぐ! 「8mm」

映画感謝人GHMです。

 今回はジョエル・シューマッカー監督の「8mm」に

 感謝を捧げようと思います。

 

 殺人場面を収録した「フィルム」の謎に迫る

 私立探偵の運命を描いた本作は

 娯楽サスペンスに対する皮肉に彩られた探偵映画であります。

 颯爽たる活躍・甘いロマンスを廃し

 謎解きに徹し続けるストーリー

 娯楽的盛り上げに背を向けた「陰性」の映像&音楽

 主演男優N・ケイジを初めとする、陰鬱なる風貌の俳優・女優陣

 スケール感を抑制された庶民的な悪役&真相が一体となる光景は

 私に「現代社会における犯罪・暴力・悪人」の現実を

 目の当たりにさせられる機会をもたらしました。

 (「悪人退治も暴力の一環に過ぎない」・「勧善懲悪=愉快痛快にあらず」という

 メッセージを感じさせる決着→幕切れとなっている点も見逃せません。)

 まさに「反娯楽系探偵映画」の一翼を担う怪作であると言えるでしょう。

 「手下を始末した後、ボスとの最終決戦に挑む」という

 娯楽映画の王道をひっくり返すという

 大胆不敵な試みによって

 「悪と闘う」という行為に秘められた悲劇性&虚しさをえぐり出す本作と

 生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。