映画に感謝を捧ぐ! 「ゲットバック」

 映画感謝人GHMです。

 今回はサイモン・ウェスト監督の「ゲットバック」に

 感謝を捧げようと思います。

 

 誘拐された娘を救うために奔走する

 大泥棒の運命を描いた本作は

 1997年の映画「コン・エアー」の監督・主演コンビによる

 2作目のアクション映画であります。

 アクション映画界が長年にわたって開発してきたシチュエーションを

 巧みにつなぎ合わせ

 大作的スケール感や情緒を抑制することによって生成されたストーリー&演出

 「アクション映画に多数出演しながら、アクション俳優らしからぬ個性を放つ」

 主演男優N・ケイジの奮闘ぶり

 

 肉体・精神共に傷ついた状態で全力を尽くす悪役の勇姿

 コミック的軽快さにあふれた音楽が一堂に会する光景は

 私に「節度あるアクション映画」の醍醐味と

 「人心の荒廃&犯罪者の宿命」を娯楽的に表現する技法の1形態に

 触れる機会をもたらしました。

 (「葛藤→どんでん返し」という流れをドタバタ喜劇的に描いた幕切れが

 作品の親しみやすさを高めている点も見逃せません。)

 まさに、アクション映画史上屈指の「堅実さ&謙虚さ」を誇る作品であると言えるでしょう。

 アクション映画でありながら「安易に人を殺さない」主人公の姿と

 複雑怪奇な状況でありながらも「ゆとり」を失わない物語

 CGに依存しない素朴なアクション・シーンに心癒される本作と

 生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を