映画に感謝を捧ぐ! 「グッバイ・レーニン!」
映画感謝人GHM(西村哲也)です。
今回はヴォルフガング・ベッカー監督の「グッバイ・レーニン!」に
感謝を捧げようと思います。
母を守るため「ベルリンの壁崩壊」を隠そうとする青年と
彼を取り巻く人々の運命を描いた本作は
「サンセット大通り」・「善き人のためのソナタ」に通じる要素と
人間愛を感じさせる家族劇であります。
歴史の転換期に翻弄される人々の悲劇を
ユーモア精神と人情味を失うことなく描きつつ
「情報統制による国家運営」の限界を世に示そうという試みは
私に「理想郷は相手に自説を押しつけるのではなく
互いに相手の長所を導入し合い、共存することによって成り立つ」という教えと
歴史の壮大さ&人間の小ささを喜劇的に表現する手法を
同時体験する機会をもたらしました。
(理想と現実が交わり合うことによってもたらされた「ハッピー・エンド」が
歴史の多面性を体現している点も見逃せません。)
まさに「壮大にして庶民的な史劇」と呼びたくなる作品であると言えるでしょう。
東西ドイツの「対立と融和の歴史」と
家族愛&ユーモア精神に対する深い信頼によって生を受けた本作と
生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。