映画に感謝を捧ぐ! 「101」
映画感謝人GHM(西村哲也)です。
今回はスティーブン・ヘレク監督の「101」に
感謝を捧げようと思います。
ドディ・スミスの小説「ダルメシアン」シリーズをもとにして
1996年に作られた本作は
「家族向け映画」風味の中に毒気を宿す動物映画であります。
童話的感覚と1990年代的感覚が融合した作品世界
優等生的且つ薄味な主人公チーム
悪の女首領「クルエラ・デビル」に扮したG・クローズの怪演
驚異的なタフネス&人間味を誇る悪の軍団
「ホーム・アローン」の流れを汲むアクション・シーンが
大仰を極めんとするかのような音楽が一体となる光景は
私に「勧善懲悪型ファンタジー」が
「倫理の枠に囚われない欲求」に取り憑かれた人々の奮闘記へと
変化していく姿を目の当たりにする機会をもたらしました。
(「浮世離れを極めたかのような幕切れ→「真の主役」が誰であるかを
歌い上げるエンドロール」という構造が
作品のブラック・ユーモア性を鮮明化している点も見逃せません。)
まさに「主客逆転型動物映画」と呼びたくなる
怪作であるといえるでしょう。
映画全体を支配する「悪役陣営の人間力」が
ドタバタ喜劇的な作品に「悲劇性」を与えるという現象を生み出した本作と
生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。