映画に感謝を捧ぐ! 「嵐の青春(1968年版)」
映画感謝人GHM(西村哲也)です。
今回はリチャード・ラッシュ監督の「嵐の青春(1968年版)」に
感謝を捧げようと思います。
兄を捜すためサンフランシスコを訪れた少女の
運命を描いた本作は
1960年代末の映画界を覆う「反抗精神」を体現した青春映画であります。
ダーク・ファンタジー風味漂う映像を細切れ的に表現することによって
「ドラッグがもたらす内面世界」を映像化することに挑んだ演出と
論理性&社会倫理の枠に縛られることなく進行するストーリー
反抗的&刹那的ムード溢れるキャラクター
軽妙でありながらも苦味のある挿入曲が一体となる光景は
私に作り手達が抱える「屈折した思い」を真っ正直にぶつけることによって
娯楽的&文学的価値を超越した「魅力」を放つ作品が生まれる現象を
目の当たりにする機会をもたらしました。
(アメリカ社会に漂う敗北感&迷走感を象徴する幕切れとなっている点も見逃せません。)
まさに「ハリウッドの流儀に抗う」陰性青春映画の一形態を示した
作品であると言えるでしょう。
ドラッグによる刹那的快楽と現実逃避に満ちた生き様が
現実社会の病理を写し出す本作と
生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。