映画に感謝を捧ぐ! 「ディアトロフ・インシデント」

 映画感謝人GHM(西村哲也)です。

 今回はレニー・ハーリン監督の「ディアトロフ・インシデント」に

 感謝を捧げようと思います。

 

 1950年に発生した「ディアトロフ峠事件」の真相に迫る

 男女5人の運命を描いた本作は

 痛烈な皮肉に彩られた疑似実録映画であります。

 安易な精神&乏しい知識で「未解決事件&雪山」に挑む若者達の末路を

 疑似実録映画特有の映像表現・ホラー&SF的脅かし方・陰謀マニア精神を

 融合させながら描くという試みは

 私に、事件調査&雪山登山における

 「プロによる組織的対応&引き際を見据える目線」の重要性と

 「大衆の権力不信と映画的ハッタリ精神」による結婚生活の一形態を

 目の当たりにする機会をもたらしました。

 (鑑賞者に肩すかしを食わせる幕切れが「世界の神秘性と人間の無力さ」を

 体現している点も見逃せません。)

 まさに「ブラック・ユーモア系疑似実録映画」の一翼を担う作品であると言えるでしょう。

 アクション監督として名を成しながら「痛快系アクション冬の時代」を生きる

 L・ハーリン監督の苦闘ぶり

 国籍&歴史の枠を超えた合作体制

 自制心&技術力の伴わない「好奇心」の暴走に警鐘を鳴らす精神に心打たれる本作と

 生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。