映画に感謝を捧ぐ! 「バルジ大作戦」

映画感謝人GHM(西村哲也)です。

 今回はケン・アナキン監督の「バルジ大作戦」に

 感謝を捧げようと思います。

 

 1944年12月16日から1945年1月25日のベルギーにおける

 「バルジの戦い」をもとにして1965年に作られた本作は

 変化球的魅力を放つ実話系戦争映画であります。

 「アメリカ流戦争映画」特有の豪快さ&スター映画要素に溢れた作風でありながら

 アメリカ礼賛要素が抑制され

 ドイツ軍の勇猛さ・戦場に生きる人間に宿る熱気&呪いが浮かび上がるという

 恐るべき現象は

 私に「歴史をエンターテインメント化する」手法の一端と

 「アメリカ流大作映画」の華やかさとその裏に潜む狂気を目の当たりにする機会をもたらしました。

 (アメリカ映画的ハッピー・エンドでありながらも虚しさを感じさせる

 幕切れとなっている点も見逃せません。)

 まさに、膨大なる物量・人員を動かす事によって生じる「混沌」を体現した

 戦争映画であると言えるでしょう。

 史実に対する「娯楽的加工」が暴走することによって

 戦争のスリル&中毒性と

 アメリカ流大作映画の魅力&危険性を世に示す作品となってしまった本作と

 生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。