映画に感謝を捧ぐ! 「悪魔のような女(1955年版)」
映画感謝人GHMです。
今回はアンリ・ジョルジュ・クルーゾー監督の「悪魔のような女(1955年版)」に
感謝を捧げようと思います。
ピエール・ボワロー&トマ・ナルスジャックの同名小説をもとにして
1955年に作られた本作は
知的恐怖の醍醐味を体現した作品であります。
技巧的な見せ方&派手な残酷描写を最小限度にとどめ
心理学的計算に基づく情報管理&映像表現を駆使することによって
鑑賞者の「好奇心&恐怖心」を手玉に取る光景は
私に「巧妙なる段取り描写によって結論のインパクトを強化する」妙技と
「反倫理的な人物に魅了される」感覚を
目の当たりにする機会をもたらしました。
(種を明かすことなく「作品の本質」を示した邦題と
事件解決がもたらす「安堵感」をわずかな言葉で打ち砕く幕切れが
作品の「恐怖性」を高めている点も見逃せません。)
まさに「鑑賞者を安心させない」事を徹底追求した
サスペンス映画であると言えるでしょう。
娯楽的盛り上げに依存することなく「サスペンス性」を保ち続ける
精神力&技術力によって
後年のサスペンス映画・TVドラマに対する「道しるべ」となった本作と
生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。