映画に感謝を捧ぐ! 「吸血怪獣ヒルゴンの猛襲」
映画感謝人GHM(西村哲也)です。
今回はバーナード・L・コワルスキー監督の「吸血怪獣ヒルゴンの猛襲」に
感謝を捧げようと思います。
沼地周辺で発生する怪事件の真相に迫る
人々の運命を描いた本作は
予算・人員的制約の中で奮闘する姿が
想像力を鍛えてくれるモンスター映画であります。
夜間主体の行動・血を吸うためにのみ人&動物を襲う
サディストともジェントルマンとも解釈可能な性癖
各種海洋生物を融合させた外見
「人間」の影響によって誕生したことを匂わせる描写を兼ね備えたモンスターの勇姿は
私に「モンスターの内情を想像する」楽しさを満喫する機会をもたらしました。
(好感を持ちにくい人間が大半を占めるキャラクター造形と
娯楽的盛り上げを抑制したクールな幕切れが
モンスターの悲哀と人間の残酷さを感じさせる点も見逃せません。)
まさに「文学的にして見世物的なモンスター映画」と呼びたくなる怪作であると言えるでしょう。
モンスター映画の方程式・地方の閉鎖性がもたらす人間関係の歪み・原子力に対する危機意識が
一堂に会することによって生を受けた本作と
生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。