映画に感謝を捧ぐ! 「ピラニア・ピラニア」

映画感謝人GHM(西村哲也)です。

 今回はウィリアム・ギブソン監督の「ピラニア・ピラニア」に

 感謝を捧げようと思います。

 

 観光旅行のためカラカスを訪れた

 兄姉の運命を描いた本作は

 観光旅行映画史上まれに見る珍作であります。

 思わせぶり感満載の邦題&幕開け

 ホラー映画・観光旅行・人情劇の特性を

 バランス感覚を無視してつなぎ合わせたストーリー

 奇襲的に発生する「技巧的映像表現」・青春映画的な音楽が一体となる光景は

 私に「観光旅行」の持つ危険要素と「映画的ハッタリ」の究極形態を

 目の当たりにする機会をもたらしました。

 (「暴力的にトラウマを克服する」幕切れ&場違い感漂うエンドロールが

 作品の混沌ぶりを高めている点も見逃せません。)

 本作こそ、鑑賞者の寛大さと忍耐力を試す

 「ジャンル迷走型観光旅行映画」と呼びたくなる作品であると言えるでしょう。

 悲しい過去を持ちながら明るく生きる兄姉の「道中劇」が

 突如として「モンスター映画」と化していく姿が

 人生の不確実性を写し出す本作と

 生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。