映画に感謝を捧ぐ! 「鮮血の美学」

 映画感謝人GHM(西村哲也)です。

 今回はウェス・クレイブン監督の「鮮血の美学」に

 

 感謝を捧げようと思います。

 

 

 実在のレイプ事件と1960年の映画「処女の泉」を

 もとにして作られた本作は

 「田舎町ホラー」の王道を変化球的に加工した怪作であります。

 ホラー映画における定番「都会から来た若者たちが地元のモンスターに襲われる」を

 逆転させたストーリー

 穏やかな日常と残酷な犯罪を交互に写す手法

 ホラー風味溢れる残酷描写・場違いなまでにさわやかな音楽が

 一体となる光景は

 私に「いかなる大義名分があろうと暴力は残酷である」という非情な現実と

 「愛」に潜む獣性を目の当たりにする機会をもたらしました。

 (勧善懲悪的でありながらも苦い結末→軽快なエンドロールという流れが

 作品の後味悪さを増幅させている点も見逃せません。)

 まさに「残虐系復讐劇」界の静かなる強豪作であると言えるでしょう。

 80年代のホラー映画界に名を轟かせた男たちの

 凶暴且つ真摯なモラルが炸裂する本作と

 生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。