映画に感謝を捧ぐ! 「アマデウス」

 映画感謝人GHM(西村哲也)です。

 今回はミロス・フォアマン監督の「アマデウス」に

 感謝を捧げようと思います。

 

 ピーター・シェイファーの同名戯曲を彼自身の脚色で映画化した本作は

 虚実交わる世界を華麗且つ冷徹に舞う

 脅威の実話系音楽映画であります。

 偉大にして破滅的な「神童」と

 愛憎渦巻く目線で彼を見つめ続けた「凡庸なる者」の運命を通じて

 我々の理解を超えるほどの「理想&才覚」を持った人間の悲劇を

 

 写し出したストーリー

 舞台劇と映画の個性が絶妙のバランスで共存する演出&演技

 陰鬱なる物語には不似合いなまでに豪華絢爛たる音楽・舞台・衣装が

 一体となる光景は 

 私に「サスペンス&ホラーとは異なる恐怖」・「恋愛劇とは異なる愛の形」

 「宗教映画以上に(宗教的)な空気」・「天才は遠きにありて思うもの」という皮肉な真理

 

 非英語圏の物語でありながら

 登場人物が英語で会話する事による「違和感」を覆い隠すほどの威厳に

 満ちあふれた世界に圧倒される感覚をもたらしました。

 (陰性のストーリーの中でささやかに光る「ユーモア」に心和まされる点や

 「その才ゆえに、心ならずも未来を予見してしまった人間の悲劇」を

 感じさせる幕切れが「歴史」を体現している点も見逃せません。)

 まさに「陰鬱系伝記映画」の最高位に位置する作品であると言えるでしょう。

 私の人生における「初の外国映画」にして

 W・Aモーツアルト&A・サリエリを知るきっかけとなった本作と

 生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。