映画に感謝を捧ぐ! 「針の眼」

 映画感謝人GHM(西村哲也)です。

 今回はリチャード・マーカンド監督の「針の眼」に

 

 感謝を捧げようと思います。

 

 ケン・フォレットの同名小説をもとにして作られた本作は

 スリルとブラック・ユーモアに彩られたスパイ映画であります。

 戦雲渦巻く世界をクールに渡り歩いた主人公が

 愛を得たかわりに「スパイとしての技量」を失っていく光景を

 

 アクション・サスペンス・恋愛劇・ホラーの手法を使い分けながら描くという試みは

 私に「007シリーズ」の流れを汲むスパイ活劇と

 娯楽映画の法則「愛=強さ」に対する意地悪な目線と

 他のスパイ映画とは異なる形の「予測を裏切られる感覚」を

 同時体験する機会をもたらしました。

 (勧善懲悪的でありながらも哀愁漂う「決着」の付け方と

 なっている点も見逃せません。)

 まさに「ジャンル混合型スパイ映画」と呼びたくなる作品であると言えるでしょう。

 主演男優D・サザーランドと物語の変幻自在ぶりによって

 ヒロインの成長と主人公の弱体化を同時進行で見つめるという

 離れ業を可能にした本作と

 生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。