映画に感謝を捧ぐ! 「屋敷女」

映画感謝人GHM(西村哲也)です。

 今回はジュリアン・モーリー&アレクサンドル・バスティロ監督の「屋敷女」に

 感謝を捧げようと思います。

 

 出産を控えた女性「サラ」に襲いかかる恐怖を描いた本作は

 見世物性と反逆性を兼ね備えた「室内系ホラー」であります。

 

 悪食趣味を極めんとするかのような残酷描写

 娯楽映画のタブーをことごとく犯す凶悪さと

 娯楽的盛り上げを極限まで抑制する冷徹さに溢れたストーリー

 全身より怪奇風味を放つキャラクター

 時折流れる「場違いなまでに品のある音楽」が一体となる光景は

 私に「お化け屋敷的見世物精神」と

 「登場人物に対する感情移入を阻止する」かのような

 キャラクター&ストーリー造形を受け止めることに挑戦する機会をもたらしました。

 (残虐でありながら「人情劇」の気配を放つという

 奇妙な幕切れとなっている点も見逃せません。)

 まさに、鑑賞者の「不条理ホラーに対する寛容さ&適合力」を試す

 テスト的怪作であると言えるでしょう。

 娯楽的倫理観&サービス精神をことごとく打ち砕く

 悪魔的な物語&映像に圧倒される本作と

 生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。