映画に感謝を捧ぐ! 「自由の幻想」
映画感謝人GHM(西村哲也)です。
今回はルイス・ブニュエル監督の「自由の幻想」に
感謝を捧げようと思います。
1808年のスペインから始まる
奇妙な人間模様を描いた本作は
壮絶なる「茶化し力」に満ちあふれた喜劇であります。
短篇集的な手法で多種多様な「権威・権力」を意地悪くからかいながら
文学的品格を保ち続けるという軽業的な挑戦は
私に「不条理世界と風刺が奇妙なバランスで共存する」世界に翻弄される楽しさと
「権威を笑う」事こそが喜劇の醍醐味であることを
目の当たりにする機会をもたらしました。
(「歴史は繰り返す」という法則を軽やかに表現した
幕切れとなっている点も見逃せません。)
まさに「映画上級者向け風刺喜劇」兼
「文学系小咄集」と呼びたくなる作品であると言えるでしょう。
「上品なやりたい放題監督」L・ブニュエル氏&スタッフ陣と
ドタバタ喜劇的な行動をシリアスに演じる俳優・女優陣の妙技が
盲目的な権威主義&自由礼賛に対する警鐘を放つ本作と
生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を