映画に感謝を捧ぐ! 「レインディア・ゲーム」
映画感謝人GHM(西村哲也)です。
今回はジョン・フランケンハイマー監督の「レインディア・ゲーム」に
感謝を捧げようと思います。
刑務所を出所した後、カジノ襲撃計画に巻き込まれた
車泥棒の運命を描いた本作は
策略・暴力・ユーモアが奇妙なバランスで混ざり合った犯罪映画であります。
「出たとこ勝負的なダメ男」風味漂う主人公
(監督業重視になる前のB・アフレックの世評を
象徴するキャラクターであるという印象を受けました。
邪悪な浅知恵と暴力に彩られた悪人たち
「意外な展開」によって鑑賞者を脅かすことを
徹底追求する事によって混乱をきたしていくストーリー
クリスマスムード漂う舞台&衣装によって繰り広げられるアクション・シーンが
一体となる事によって生じる「犯罪映画的化学反応」は
私に、自己に対する過信&他者に対する侮りが
「思わぬ過ち」を招くという真理と
過剰な暴力&陰謀が「滑稽さ」へと繋がっていく光景を
目の当たりにする機会をもたらしました。
(犯罪映画史上まれに見る和やかな幕切れが
クリスマスの持つ「癒し効果」を皮肉な形で示している点も見逃せません。)
まさに「凶暴なる犯罪喜劇」と呼びたくなる作品であると言えるでしょう。
長年にわたって「闘い」を描いてきたJ・フランケンハイマー監督の
「映画界における最終戦」となる本作と
生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。