映画に感謝を捧ぐ! 「十人のならず者」
映画感謝人GHM(西村哲也)です。
今回はブルース・ハンバーストン監督の「十人のならず者」に
感謝を捧げようと思います。
無法者集団を操る巨悪に立ち向かう
牧場主と仲間たちの運命を描いた本作は
直球精神溢れる作りが心地良い正統派西部劇であります。
「男の嫉妬心が町を揺るがす争いへと発展していく」物語を
最小限の状況説明と西部劇風アクションを駆使するによって
一本の娯楽西部劇に成長させようという発想
模範生的な正義漢&人間味溢れる悪役というキャラクター造形
西部劇の定番要素を着実に押さえたアクション・シーン&音楽が一体となる光景は
私に「無駄な装飾を省いた素直な物語」の醍醐味と
「戦争の構図・男性の繊細さ&女性のタフネス」を西部劇的手法で示す妙技を
目の当たりにする機会をもたらしました。
(戦争映画級の「爆発ぶり」を誇る最終決戦が
ある種のブラック・ユーモア性を発揮している点も見逃せません。)
まさに「勧善懲悪西部劇」史上まれに見る合理性を持った
作品であると言えるでしょう。
必要最小限度の西部劇要素のみで形成されたスリムな作品であるにもかかわらず
文学性と反戦映画要素を兼ね備える存在となってしまった本作と
生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。