映画に感謝を捧ぐ! 「ムカデ人間」

映画感謝人GHM(西村哲也)です。

 今回はトム・シックス監督の「ムカデ人間」に

 感謝を捧げようと思います。

 

 人体結合に取り憑かれた男がもたらす

 惨劇を描いた人気シリーズ?の1作目となる本作は

 映画の持つ「見世物性」と人間の持つ「想像力」が

 暴走することによって生を受けた究極の怪作であります。

 流血&人体破壊がもたらす映像的インパクトや

 ホラー映画的なスリル&サスペンスよりも

 理性や良心よりも「科学的欲求」を追求する博士の行動と

 モンスターにされたことによって「絆&勇気」に目覚めていく被害者たちの姿が

 もたらす恐怖と不快感に重きを置いた作風を貫く

 作り手たちの信念と悪趣味精神は

 私に「ホラー、ポルノ、サクセス・ストーリーが入り交じった作品」を鑑賞したかのような感覚と

 背徳的喜び&罪悪感の入り交じった感情を誘発する時間をもたらしました。

 (「死に勝る恐怖」をクールに示した幕切れが

 2001年の映画「ノー・マンズ・ランド」に匹敵するほどの

 残酷な余韻をもたらしている点も見逃せません。)

 まさに「暴れ馬系SFホラー」の究極形態を世に示した

 脅威の悪食映画であると言えるでしょう。

 主演男優D・ラーサーの「モンスター的怪演」

 悪趣味さと愛に彩られた「ムカデ人間」の勇姿

 悪食映画史上屈指の「国際性」を誇るキャスティングに

 驚きを禁じ得ない本作と

 生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。