映画に感謝を捧ぐ! 「サファリ」
映画感謝人GHM(西村哲也)です。
今回はダレル・ルート監督の「サファリ」に
感謝を捧げようと思います。
南アフリカのサファリツアーに参加した
アメリカ人観光客の運命を描いた本作は
冒険&ブラック・ユーモア風味溢れる「疑似実録映画」であります。
軽率な行動によって危機に陥る主人公一行と
疑似実録映画特有の「不安定な映像」が一体となって
「安全圏で他者の不幸を楽しむ」娯楽映画の宿命と
外国旅行における「自制心」の大切さを世に示そうという試みは
私に、作品に秘められた「無意識のメッセージ」を読み取る楽しさと
ヒーローの存在しない「冒険」がもたらす「奇妙な現実感」を
味わう機会をもたらしました。
(娯楽的情緒を廃したクールなハッピー・エンドが
安堵感と苦味の入り交じった感触を生み出している点も見逃せません。)
まさに「アマチュア的映像」の秘めたる効能を
世間に知らしめた作品であると言えるでしょう。
娯楽的スリルをほとんど感じさせない陰鬱な作風と
「突如として訪れる死」の連打によって
極限状態における「命の軽さ」をえぐり出す本作と
生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。