映画に感謝を捧ぐ! 「クレイジーズ・キッチン」
映画感謝人GHM(西村哲也)です。
今回はグレゴリー・マンドリー監督の「クレイジーズ・キッチン」に
感謝を捧げようと思います。
山奥のホテルに泊まった男女に襲いかかる恐怖を描いた本作は
「悪魔のいけにえ」・「地獄のモーテル」・「エクスタミネーター」等の
手法を受け継ぎつつ
独自の悪趣味ムードを生成することに挑んだホラー映画であります。
ホラー映画の定番「主人公一行の軽率な行動」・「寡黙な悪役」
「流血&人体破壊」を忠実になぞりつつ
各種ホラー要素・実録要素・道中劇要素を闇鍋的に詰め込むことによって
「物語の方向性」を読みづらくし、スリルを高めようという実験的試みは
私に「複数のホラー要素を共存させること」と
「残酷趣味とテーマ性のバランス感覚を保つ」の難しさを
目の当たりにする機会をもたらしました。
(ホームドラマ風味と後味悪さが融合した
奇妙な幕切れとなっている点も見逃せません。)
まさに「ホラー映画的化学実験」の一形態を世に示した作品であると言えるでしょう。
閉鎖系ホラー映画・道中劇・人情劇の「類似性」と
食事という行為の暗黒面をえぐり出す本作と
生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。