映画に感謝を捧ぐ! 「春の調べ」
映画感謝人GHM(西村哲也)です。
今回はグスタフ・マハティ監督の「春の調べ」に
感謝を捧げようと思います。
悩める若妻「エヴァ」と彼女を取り巻く男たちの
運命を描いた本作は
後年の愛憎劇に多大な影響を与えた女性映画であります。
背徳感あふれる物語の中で
トーキとサイレントの手法・サスペンスと恋愛劇の技法
文学性とエロティシズムが共存を果たすという現象は
私に「対照的な要素が組み合わされる」事による化学反応の醍醐味と
男女関係の複雑怪奇さを娯楽的軽やかさを失うことなく表現する妙技を
目の当たりにする機会をもたらしました。
(哀愁の中に「悪女映画」の香りを宿す幕切れが
後年の「ファイブ・イージー・ピーセス」に通じる気配を
放っている点も見逃せません。)
まさに「官能文学映画」の幕開けを告げる
過激作であると言えるでしょう。
罪深き快楽と「登場人物の内面を想像する」楽しさが
バランス良く配合された本作と
生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。