映画に感謝を捧ぐ! 「愛のそよ風」
映画感謝人GHM(西村哲也)です。
今回はクリント・イーストウッド監督の「愛のそよ風」に
感謝を捧げようと思います。
C・イーストウッド氏初の「非主演監督作」となる本作は
過激さと情緒が交錯する恋愛映画であります。
C・イーストウッド監督作としては異色の
「恋愛&青春映画色」の濃い物語と
C・イーストウッド監督&主演作特有の
「己を貫くことによって孤独に囚われる主人公」・「台詞による説明に依存しない演出」
「女性に対する複雑な思い」・「品のある音楽」が一体化するという現象は
私に「変態映画」になりかねない題材を上品に描く妙技と
異なる価値観を持つ人間が交わることによって生じる
輝きと痛みを目の当たりにする機会をもたらしました。
(ハッピー・エンドでありながらも「不安の種子」を感じさせる幕切れが
人生の光と闇を示している点も見逃せません。)
まさに「純文学系格差恋愛劇」の歴史に輝く強豪作であると言えるでしょう。
C・イーストウッド氏が長年にわたって演じ続けた
「孤高のヒーロー」の秘めたる弱さをえぐり出す事によって
後年の「ミリオンダラー・ベイビー」・「グラン・トリノ」に通じる道を切り開いた本作と
生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。