映画に感謝を捧ぐ! 「東京暗黒街・竹の家」

映画感謝人GHM(西村哲也)です。

 今回はサミュエル・フラー監督の「東京暗黒街・竹の家」に

 感謝を捧げようと思います。

 

 日本で発生した米軍貨物車襲撃事件によって

 結びつけられた人々の運命を描いた本作は

 奇妙な味わいを放つ犯罪映画であります。

 日本ロケを行っているにも関わらず

 「アメリカ人が想像する日本」の気配を感じさせる日本描写と

 アメリカ流と日本流・観光旅行映画と犯罪サスペンスが

 せめぎ合うストーリー&キャラクターが

 一体となる光景は

 私に、アメリカ流犯罪映画のスタイルと

 日本文化を融合させる事によって生じる映画的化学反応を通じて

 日米関係&アメリカ流外交の一端を

 目の当たりにする機会をもたらしました。

 

 (西部劇の風味を放つ最終決戦→幕切れが

 本作の珍品ぶりをより鮮明にしている点も見逃せません。)

 まさに「趣味人系犯罪映画」史上屈指の珍作と呼びたくなる

 作品であると言えるでしょう。

 日本を舞台にした物語でありながら

 「アメリカ映画的感覚」を貫く精神によって

 

 後年の「ブラック・レイン」等に通じる道を切り開いた本作と

 生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。