映画に感謝を捧ぐ! 「シー・トレマーズ」

 映画感謝人GHM(西村哲也)です。

 今回はブライアン・ユズナ監督の「シー・トレマーズ」に

 感謝を捧げようと思います。

 

 海中に潜む魔物「アンカラ・ムルカ」の恐怖を描いた本作は

 鑑賞者の精神を翻弄する脅威のモンスター映画であります。

 作品としての一貫性に背を向けて

 縦横無尽に駆け回るストーリー

 勢い任せに繰り出される残酷描写の数々

 ダーク・ファンタジーと怪獣映画を融合させたかのようなモンスター

 感情移入困難なキャラクターが一体となる光景は

 私に、「各種恐怖要素」が無秩序に暴れ回ることによって生じる混沌と

 視覚的インパクト至上主義の残酷描写が「ブラックな笑い」へと変化していく状況を

 目の当たりにさせられる機会をもたらしました。

 

 (「ハリウッド流ハッピー・エンド」への期待を軽やかに裏切る

 意地の悪い幕切れとなっている点も見逃せません。)

 まさに「悪役レスラー系モンスター映画」と呼びたくなる怪作であると言えるでしょう。

 即物的な残酷さとルール無用のストーリー展開が

 鑑賞者の寛容さを試す本作と

 生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。