映画に感謝を捧ぐ! 「血を吸うカメラ」

 映画感謝人GHM(西村哲也)です。

 今回はマイケル・パウエル監督の「血を吸うカメラ」に

 感謝を捧げようと思います。

 

 女性の死に顔を「撮影」することに取り憑かれた男の

 運命を描いた本作は

 サスペンス映画史上最大級の「挑発性」を持った作品であります。

 ドキュメンタリー・怪奇映画・犯罪映画の技法を駆使して

 芸術&娯楽を作る&求める人々の心に潜む

 「悪魔」の存在を写し出すことによって

 殺人者に「仲間意識」を持たざるを得ない作品が誕生するという現象は

 私に、自分の心中に潜む「殺人者」を見つめる感覚

 「環境&教育によって秘めたる才能が開花する」ことの一形態

 「映画を見る=人の不幸を娯楽化する」という残酷な方程式を

 目の当たりにする機会をもたらしました。

 (悲劇性&残虐性に満ちているにもかかわらず

 

 「ハッピー・エンド」であるかのように感じさせる幕切れとなっている点も見逃せません。)

 まさに、娯楽映画でありながら「鑑賞者を映す鏡」と

 なってしまった作品であると言えるでしょう。

 人の世の真実を「娯楽的に」示したが故に酷評され

 「正直者が馬鹿を見る」という忌まわしき真理を立証する作品の一つとなった本作と

 生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。