映画に感謝を捧ぐ! 「候補者ビル・マッケイ」

 映画感謝人GHM(西村哲也)です。

 今回はマイケル・リッチー監督の「候補者ビル・マッケイ」に

 感謝を捧げようと思います。

 

 上院議員候補「ビル・マッケイ」と

 彼を取り巻く人々の運命を描いた本作は

 明るくも残酷な舞台裏映画であります。

 「選挙」の裏側をユーモラス且つ冷徹に写し出したストーリー

 大作的スケール感・コメディ的明るさ・スピード感&技巧を兼ね備えた映像

 勇壮な挿入曲

 美しき主演男優R・レッドフォードより放たれる「危うげな気配」が

 一体となる光景は

 私に、政治と選挙の間に広がる「溝」の深さと

 「戦術&エンターテインメント要素の暴走」によって

 本来の目的が失われていく恐怖を

 目の当たりにする機会をもたらしました。

 (会話&演説主体の物語でありながら「説明過多」に陥っていない点や

 明るいハッピー・エンドの裏側に

 現代の政界にも通じる「危険要素」を感じさせる幕切れとなっている点も

 見逃せません。)

 まさに「空しき華やかさと姿なきモンスターの存在を感じさせる」

 舞台裏映画であると言えるでしょう。

 娯楽要素と風刺要素を両立させるバランス感覚と

 架空の選挙戦に説得力を与える作劇力に圧倒される本作と

 生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。