映画に感謝を捧ぐ! 「ザ・シューター 大統領暗殺」

 映画感謝人GHM(西村哲也)です。

 今回はウーヴェ・ボル監督の「ザ・シューター 大統領暗殺」に

 感謝を捧げようと思います。

 

 1954年の映画「三人の狙撃者」の再映画化作品となる本作は

 ドイツの不良監督U・ボルらしからぬ真っ当な作りが印象深い作品であります。

 「三人の狙撃者」に2010年代の時事ネタを付け加えるという

 省力的なストーリー作り・迫力を感じさせない敵役

 比較的穏やかに進行するアクション・シーン

 便乗精神&誇大広告感あふれる邦題&宣伝が一体となることによって

 U・ボル監督作特有の悪趣味性を抑制した

 鑑賞しやすい作品が生み出される光景は

 私に「娯楽映画」がハッタリ&思わせぶりの産物であるという一面と

 過去作を利用する精神の効能を目の当たりにさせられる機会をもたらしました。

 (「脇役の活躍による勝利」・「伏線回収を放棄した幕切れ」という

 大胆不敵な試みが成されている点も見逃せません。)

 まさに「陰謀系映画」史上屈指の大味さと竜頭蛇尾感を誇る

 珍作であると言えるでしょう。 

 「三人の狙撃者」とU・ボルという珍妙な組み合わせによる

 スケール感・スリル・政治的メッセージをほとんど感じさせない大統領暗殺計画が

 ある種のブラック・ユーモア性を放つ本作と

 生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。