映画に感謝を捧ぐ! 「ゾンゲリア」

 映画感謝人GHM(西村哲也)です。

 今回はゲイリー・A・シャーマン監督の「ゾンゲリア」に

 感謝を捧げようと思います。

 

 海沿いの町「ポッターズ・ブラフ」で発生した

 連続殺人事件の真相に迫る保安官の運命を描いた本作は

 サスペンス・ホラーの仮面を纏いながら

 「怪奇映画」としての魅力を放つ恐るべき作品であります。

 犯罪サスペンス・ホームドラマ・ホラー映画の手法を融合させたストーリー&演出

 胡散臭さと神秘性を兼ね備えた邦題

 場違いなまでに哀愁をそそる音楽が一体となる光景は

 私に、王道的な物語を「さりげないヒントの提示&見せ方の工夫」によって

 光り輝かせる妙技と

 怪奇映画と悪趣味ホラーの違いは「哀愁の有無」にあるということを

 目の当たりにする機会をもたらしました。

 (ホラー的技術によって「恐怖は無知より生じるとは限らない」事を体現した

 幕切れとなっている点も見逃せません。)

 まさに「教訓系怪談」の静かなる強豪作であると言えるでしょう。

 ありふれた日常が静かに崩れゆく恐怖・永遠に「今」を続ける世界に生きる喜びと悲しみ

 肉体破壊の恐怖・未知なる者に追い立てられる恐怖が共存する本作と 

 生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。