映画に感謝を捧ぐ! 「理由なき反抗」
映画感謝人GHM(西村哲也)です。
今回はニコラス・レイ監督の「理由なき反抗」に
感謝を捧げようと思います。
ロバート・リンドナー医師の著書「理由なき反抗 _犯罪精神病質者の催眠分析_」を
もとにして作られたニコラス・レイの原作を
彼自身が監督して映画化した本作は
実験精神溢れる青春映画であります。
アメリカ流青春映画の王道に即した美男美女・衣装・舞台と
「アメリカン・ファミリー」の暗部をえぐり出したストーリー
暴力性と文学性・活劇的アクションとサスペンス的映像技という
対照的要素が混ざり合うことのよって生じる映画的化学反応は
私に「陽気な外見によって内面の闇を鮮明化」する事によって
ハリウッド・スタイルの欺瞞性を暴く妙技を
目の当たりにする機会をもたらしました。
(「ワイルドさの中に繊細さを宿す」J・ディーン&N・ウッドと
現代にも通じる「機能不全家族」の悲劇を体現したS・ミネオの名演
大人たちの放つ「偽善的ムード」
王道的ハッピー・エンドと1970年代のアメリカに訪れた
「映画反抗期」の間に立つ幕切れが
本作に「歴史遺産的価値」をもたらしている点も見逃せません。)
まさに「陰性青春映画」の大いなる道しるべとなった作品であると言えるでしょう。
教科書的説教に溺れることなく「若者心理」を描く勇気と
娯楽映画的サービス精神が絶妙のバランスで共存する本作と
生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。