映画に感謝を捧ぐ! 「遠い夜明け」

映画感謝人GHM(西村哲也)です。

 今回はリチャード・アッテンボロー監督の「遠い夜明け」に

 感謝を捧げようと思います。

 

 南アフリカ共和国の活動家スティーヴン・バントゥー・ビコと

 新聞記者ドナルド・ウッズの実話をもとにして作られた本作は

 娯楽的サービス精神と歴史学の共存に挑んだ実話系映画であります。

 白人主導の映画でありながら「白人の差別意識&偽善性を暴く」という過激な命題を

 社会派作品・戦争映画・脱出系サスペンスを融合させながら

 勧善懲悪の枠を超えた領域を目指したストーリー&演出と

 神秘性&民族性にあふれた音楽を駆使することによって

 映画化しようという挑戦は

 私に「二本立て映画」の醍醐味を味わいつつ

 歴史を学ぶ機会と

 「白人社会を批判しつつ、白人の顔を立てなければならない」という

 矛盾した状況の中で苦闘する人々の思いに触れる機会をもたらしました。

 (ハッピー・エンド風映像&音楽の後に流れる「内幕」が

 ホラー映画以上の怪奇恐怖をもたらしている点も見逃せません。)

 まさに「軽業的陰性偉人伝」の称号にふさわしい史劇であると言えるでしょう。

 「陰を宿す優等生俳優」D・ワシントンの個性に

 R・アッテンボロー氏の「歴史教師系監督魂」と

 1963年の映画「大脱走」時代に得た知識を加えることによって

 生を受けた本作と

 生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。