映画に感謝を捧ぐ! 「頭上の敵機」

 映画感謝人GHM(西村哲也)です。

 今回はヘンリー・キング監督の「頭上の敵機」に

 感謝を捧げようと思います。

 

 サイ・バートレット&バーン・レイ・Jrの同名小説を

 彼ら自身の脚色によって映画化した本作は

 気遣いと戦術性に彩られた戦争映画であります。

 実録映像の有効活用・「協力者」である米&英軍への配慮

 青春映画と戦争映画を融合させたかのようなストーリーが一体となる光景は

 私に「娯楽的サービス精神・小規模映画的手法・礼節を兼ね備えた戦争映画」を

 目の当たりにする機会をもたらしました。

 (「娯楽的盛り上げ」を抑制した静かな幕切れが

 映画全体を覆う「アメリカ礼賛臭」を緩和している点も見逃せません。

 まさに「スポーツ映画&リーダー論入り戦争映画」と呼びたくなる

 作品であると言えるでしょう。

 紳士の香り漂うG・ペック氏が

 「鬼教官」的士官に扮するという大胆なキャスティング

 部隊のベテラン軍曹に扮したD・ジャガー氏の放つ「穏やかな空気」

 登場人物の経歴・敵軍の描写・アクション映画的見せ場を

 極限まで抑制する手法によって

 他の戦争映画とは異なる味わいを生み出した本作と

 生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。