映画に感謝を捧ぐ! 「蜂女の恐怖」

映画感謝人GHM(西村哲也)です。

 今回はロジャー・コーマン監督の「蜂女の恐怖」に

 感謝を捧げようと思います。

 

 スズメバチから作られた「若返り薬」がもたらす

 悲劇を描いた本作は

 「即物的娯楽要素の中にテーマ性を潜ませる」

 R・コーマン監督の技が冴えるSF映画であります。

 モンスター映画の方程式に企業&女性心理を融合させることによって

 生を受けたストーリー

 特撮感あふれるモンスター・デザイン

 軽快さと技巧によって「突っ込み要素」を緩和する演出

 場違いなまでに明るい音楽が一体となる光景は

 私に、娯楽的効率主義と文学性が奇妙なバランスで共存する光景を

 目の当たりにする機会をもたらしました。

 (1958年の映画「蠅男の恐怖」に

 便乗した作品であることを堂々と示した潔い邦題と

 

 強引でありながらも「因果応報」を感じさせる幕切れとなっている点も

 見逃せません。)

 まさに「和やかさと社会派的恐怖を兼ね備えた」

 モンスター映画界の珍味であると言えるでしょう。

 他作品の流れに便乗しつつ、独自性を発揮する知略

 情緒やロマンスを抑制した「スリムな作り」を心がける合理性

 安物感あふれる映像&豪快すぎる物語を

 「見せ方&スピード感」によって補強する技術力によって

 生み出された本作と

 生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。