映画に感謝を捧ぐ! 「来るべき世界」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はウィリアム・キャメロン・メンジーズ監督の「来るべき世界」に
感謝を捧げようと思います。
H・G・ウェルズの同名小説を彼自身の脚色によって映画化した本作は
学校的要素に満ちあふれた近未来SF映画であります。
想像力・歴史に関する知識&見解の限りを尽くして
「約100年分の仮想現実」を映画化するという命題を
娯楽映画の技法を総動員して実行しようとする
スタッフ・キャスト陣の挑戦者精神&技術力は
SFの根源が「科学に対する信頼&疑心」にあるということを
再認識する機会と
「仮想現実が人間社会の現実を語る」現象に立ち会う機会をもたらしました。
(娯楽的ハッピー・エンド&悲劇に背を向けて
「鑑賞者に宿題を与える」幕切れとなっている点も見逃せません。)
まさに「SF型歴史書」と呼びたくなるような作品であると言えるでしょう。
SF・史劇・ホラー・戦争映画が共存するストーリー&演出によって
後年のSF界に対する「最大級の道しるべ」となった本作と
生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。