映画に感謝を捧ぐ! 「原子怪獣現わる」

映画弁護人GHM(西村哲也)です。

 今回はユージン・ルーリー監督の「原子怪獣現わる」に

 感謝を捧げようと思います。

 

 核実験によって目覚めた恐竜に立ち向かう

 人々の運命を描いた本作は

 運命の皮肉に彩られた怪獣映画であります。

 壮絶なる破壊力&影響力と

 「人の少ない場所を襲撃する」・「決定的な証拠を残さない」

 知略を兼ね備えた巨大生物によって

 モンスター映画風味が抑制され、ホラー&サスペンス風味が高まっていくという現象は

 私に、怪獣映画の抱える「リスク」と

 「科学」に対する複雑な思いに触れる機会をもたらしました。

 (物量攻勢よりも急所を押さえる戦法を重んじる

 戦術的な幕切れとなっている点も見逃せません。)

 まさに「怪獣映画の光と闇」を体現した作品であると言えるでしょう。

 「孤立化する主人公」・「モンスターを殺したがらない学者」

 「段階的に拡大する被害」・「怪獣不在による物語の停滞」といった

 怪獣映画の宿命を背負いつつ

 「核」への不信感を示した本作と

 生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。