映画に感謝を捧ぐ! 「once ダブリンの街角で」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はジョン・カーニー監督の「once ダブリンの街角で」に
感謝を捧げようと思います。
夜のダブリンで出会った男女2人の運命を描いた本作は
ファンタジーとリアルが絶妙のバランスで配合された人情劇であります。
舞台となる「街」とそこに住む人々の持ち味を
最大限に生かした映像&キャラクター造形
幻想的でありながらも庶民的ムードに溢れたストーリー
自然な形で流れていく「情緒ある挿入歌」の数々が一体となる光景は
私に、浮世離れした物語に「人間味&説得力」をもたらす妙技と
ミュージカルや青春映画とは異なる形の
「音楽とストーリーが最高の相性で結ばれる姿」を
堪能する機会をもたらしました。
(「典型的ハッピー・エンド」へ向かうと見せかけて
ひねりを加えた幕切れが
アメリカ流恋愛映画とは異なる情感を生んでいる点も見逃せません。)
まさに「ヨーロッパ流人情歌劇」の静かなる強豪作であると言えるでしょう。
恋愛劇・ホームドラマ・観光旅行映画・音楽映画の特性を網羅しながら
感動&楽曲の押しつけや映像技の誇示に溺れないクールな作風によって
純度の高い「癒し感覚」を生み出した本作と
生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。